劇場通い、ときどき読書

〜ミュージカルとライブと本と〜

ミュージカル「BARNUM 」(Wキャスト:Aチームver)

 ミュージカル「BARNUM」

東京芸術劇場プレイハウス

・2021年3月6日(土)ソワレ 東京公演初日

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【ストーリー】

バーナムの興行師としての人生は、「ジョイス・ヘス」という女性を”世界最高齢の160歳“として売り出すことから始まる。彼の誇大な広告や作り話によって、見世物の興行は成功をおさめるが、妻のチャイリーは人々をだますような仕事ではなく、社会的に尊敬されるような安定した職に就くことを望んでいた。しかし、見世物こそが自分の世界に彩りを与えてくれるのだと考えているバーナムは、博物館を経営したり、世界で最も小さい男「トム・サム将軍」といった話題性のある見世物を手掛けることによってますます有名になっていく。
その後スウェーデン人のオペラ歌手であるジェニー・リンドと契約した彼は、すっかり彼女に熱中し、チャイリーを置いて彼女とともにツアーへと旅立つ。公演は大成功となり、ジェニーとの距離も縮まる中、バーナムはふと愛する妻が共にいない生活への虚しさを感じ、ジェニーのそばを離れる。チャイリーの元に戻った彼は、時計工場で働いたり、ついには市長に選ばれたりと、彼女が望む通りの安定した生活を送ることになるが、そんな生活にも突如終わりが訪れ…
バーナムは再び、自らの才能をショーの世界で生かそうと決意するのだった…。

ミュージカル「BARNUM」公式HPより引用)

■キャスト■

フィニアス・テイラー・バーナム:加藤和樹

チャイリー・バーナム:朝夏まなと

トム・サム/リングマスター/ジェームス・A・ベイリー:矢田悠祐

ジェニー・リンド:綿引さやか(wキャスト)

エイモス・スカダー/ハンバート・モリッシー内海啓貴(wキャスト)

ジョイス・ヘス/ブルースシンガー:中尾ミエ

 

1980年初演のブロードウェイ・オリジナルミュージカル「BARNUM」。今回の上演は、日本初演であり、そして今日がその初日です。

バーナム(P.T.バーナム)、といえば、2017年の映画「グレイテスト・ショーマン」 でその名を知った方も多いのではないでしょうか。

このミュージカルのストーリーは映画版とは違っていて、バーナムの半生を、バーナムと妻チャイリー(実際の名はチャリティ)との夫婦愛を中心に描いたものとなっています。

といっても、やはり興行師バーナムの人生には、サーカスシーンは欠かせない重要な要素となっていますので、映像を駆使しての演出や、キャストの方々の歌やダンス、そしてジャグリングなどの華麗な技の数々によって、サーカスの雰囲気を充分に表現されている作品になっていました。

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開場して、劇場に一歩足を踏み入れたときのワクワク感といったらすごかった!まるでサーカス小屋の中に来たような舞台セットが、その高揚感を盛り上げます。

どんな素敵なショーを魅せてくれるんだろう?って、開演前はどの劇場でもわくわくドキドキするものですが、この会場では、劇場(東京芸術劇場プレイハウス)のコンパクトさも相まって、さらにいっそうわくわくドキドキしてしまいました!期待高まる!!

 幕が上がってからは、見るところが多くて舞台に釘付けです。

 

バーナム役の加藤和樹さんは、ずっと舞台でしゃべって歌って踊って息つく間もないほど!それが、バーナムという人の熱さや、ずる賢さや、天真爛漫さを上手く表現しているように思いました。

チャイリー役の朝夏まなとさんは、ご本人がインタビューで語っているように、堅実な思考を持つ、地に足のついたおばちゃん!っていう女性を愛情いっぱいに表現していて、それでいてとってもキュートなので、バーナムが甘えちゃうのも無理ないよなぁ〜って思わせるような素敵な奥様でした。

加藤和樹さんと朝夏まなとさんは、前回のミュージカル「ローマの休日」から引き続きのコンビということもあって、お芝居の息がぴったりすぎて、本当の夫婦のよう!

だからこそ、この物語にリアリティがあって、すごく説得力のあるストーリー展開になっていると思いました。

 

そしてこのミュージカルの魅力は、素敵な楽曲たち。

この観劇の予習のために、ブロードウェイ版のCDを繰り返し聴いていたのですが、今日の日本版BARNUMも同じ楽曲が使われていたので、予習成功!の気分でした(^^)v 

Barnum

Barnum

 

この楽曲たちの日本語訳の歌詞が、本当に素晴らしくて!

高橋亜子さん訳の、日本語の歌詞がとても美しくて、そして、キャストのみなさんもすごく歌いやすそうだったので、一曲一曲の歌が、心に深く入ってきました。

翻訳のチカラってすごいんだなぁと実感しました。本当に素晴らしかったです。

(日本語版のサントラCD出してほしいなぁ…★)

 

このミュージカルの見どころは、歌とダンス、そしてショー!

キャストの方が誘導してくれて、観客が手拍子できちゃうシーンもあるのですが、一体感でわくわくするし、全員でのショーは、歌声のハーモニーの重厚さにも感動するし、ダンスシーンは本当に楽しいし、ジャグリングなどのサーカス的な技があちこちで披露されているので、もうどこを見てよいやら、目が舞台上をウロウロしてしまって「目が足りなーーーーい!!」と叫びたくなる忙しさ笑。一度観ただけだと、かなり見逃してしまっているところも多いはずなので(汗)、リピートして観たくなるタイプのミュージカルですね、これは(^O^)

(あとね、元宝塚トップスターのカッコいいレビューショーの再来か!っていうシーンがありますからね❤これはもう痺れますね❤)

 

世界三大サーカスのひとつである「木下サーカス」がこの作品に特別協力をしているということで、ジャグリングの指導には石田純一(PerformerAi)さん、映像にフィリップ・エマールさんがご出演されていて、彼らによって、この作品にサーカスの要素を、嘘じゃないものとして存在させることができたのではないかな、と思いました。

※先週、予習のために(…われながら、なんて熱心なの!笑)横浜で開催していた木下大サーカスを観に行ってきたのですが、そのサーカスを観ている時のワクワク感や、観客の盛り上がり感が、このミュージカルを観ていて同じようなものを感じたので、サーカス小屋の臨場感がバッチリ表現されてる!と思ったのでした。雰囲気の再現度、素晴らしいなぁ〜。

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 初日を観劇した感想をまとめると・・・

ミュージカル「BARNUM」、見どころがたくさんで、舞台上のみなさんが全員魅力的で、目が足りなくて忙しいのですが、全編を通じて、予想以上に笑うところが多くって、マスクの中はずっと笑顔★

二幕では、時の流れに切なくなったり、思わずホロリとさせられたり(っていうか、まんまと号泣)するのですが、最後はフィナーレっぽくテンションが上った状態で幕が降りるので、ああ、素敵なショーを観たなぁ〜!という感覚。

今のこの時代、このご時世だからこそ、心にじんわりあたたかく染みてくるミュージカルだな、と思いました。

エンターテインメントのチカラは、無限だな!って実感。

この作品から、キャストのみなさんから、大きなパワーと無限のチカラをいただいて、心があったかくなって帰途につく、そんな素敵な時間でした。

ぜひたくさんの人に観てほしい!って思う素晴らしいミュージカル。最近元気ないな…っていう方に特にオススメしたいです。パワーもらえます☆

※東京公演は、開演1時間前より当日券の販売をしているそうです♪

musical-barnum.jp

 

■スタッフ■

翻訳・訳詞:高橋亜子

演出:荻田浩一

音楽監督荻野清子

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ミュージカル「BARNUM」

2021年3月6日ー3月23日 @東京芸術劇場プレイハウス

2021年3月26日ー3月28日  @兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール

2021年4月2日        @相模女子大学グリーンホール

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